横浜市では、市内の中小企業が取り組む革新的な新技術・新製品の研究開発に対して、費用の一部を助成する「新技術・新製品開発支援助成金」の令和7年度公募を開始しました。
製造業・IT業・研究開発部門を有する中小企業にとって、資金負担を抑えながら開発を加速できる貴重な支援制度です。
■ 助成金の概要
この助成制度は、横浜市内で事業活動と研究開発拠点を持つ中小企業が対象で、新たな製品・技術の開発に必要な幅広い経費が助成対象となります。
開発現場の人件費、設備、クラウドサービス、外注委託まで網羅しており、スタートアップから既存企業の新規事業立ち上げまで活用可能です。
■ 助成金額と補助率
- 助成上限額:1,000万円
- 補助率:対象経費の1/2
■ 助成対象となる経費
助成対象となる費用項目は非常に幅広く、以下のような費用が含まれます。
- 原材料・副資材費:試作品・プロトタイプの素材など
- 機械装置費:開発や加工に必要な設備導入費
- 外注・委託費:部品加工やシステム開発など社外依頼業務
- 産業財産権経費:特許出願、商標取得に係る費用
- 技術指導導入費:大学・研究機関等からの技術導入費用
- クラウド利用費:SaaS型ソフトや開発用クラウド環境の利用料
- 直接人件費:自社内での研究員・技術者の給与
- 調査費:市場調査や試験費用など
- その他、市長が特に認める経費
■ 対象企業(申請要件)
次のすべてを満たす企業またはグループが申請可能です。
- 横浜市内に本社または主たる事業所・研究開発拠点があること
- 市内で1年以上継続して事業を行っていること
- 市税の滞納がないこと
- 過去3か年度でこの助成金を受けていないこと
- 脱炭素化に向けた取組を事業活動に取り入れていること
■ 申請スケジュール(令和7年度)
- 事前相談期間:令和7年4月14日(月)~5月30日(金)17:00まで
- 申請書提出期間:事前相談実施後~6月12日(木)17:00まで
※ 申請には事前相談が必須です。相談なしでは申請書の提出ができません。
■ 審査方法と評価基準
申請後、次の2段階で審査が行われます。
1. 書類審査(一次審査)
提出書類に基づいて、事業内容や申請企業の体制を評価します。
2. ヒアリング審査(二次審査)
プレゼンテーションまたは口頭説明を通じて、担当者が直接評価します。
評価項目:
- 新規性・独自性:技術や製品の革新性
- 技術力:実現に必要な開発力・技術水準
- 市場性:商品化・事業化の可能性とニーズ
- 実現可能性:スケジュールや体制、資金計画の妥当性
- 経営体制:社内の意思決定やプロジェクト管理体制
■ この助成金の活用メリット
- 試作品開発から量産化前の検証フェーズまでカバーできる
- 中小企業単独では負担の大きい設備投資や外注費を半額補助
- 脱炭素・持続可能な経営への取り組みも評価される
- 横浜市の認定を受けることで、他の補助事業でも信用性が向上
■ 活用事例(想定シナリオ)
- 製造業: 新素材を活用した環境対応製品の開発
- IT企業: AIを用いた業務支援ツールのアルゴリズム検証
- バイオ関連: 健康食品向け成分の機能評価と加工技術導入
- ロボット系スタートアップ: 作業支援ロボットの試作と安全テスト
■ まとめ
横浜市の「新技術・新製品開発支援助成金」は、企業の成長と革新を後押しする実践的な助成制度です。
商品化を見据えた実証や開発にかかる費用を1/2まで支援してもらえるため、挑戦的な開発をしたい企業にとっては大きなチャンスです。
とくに脱炭素経営や研究開発型の企業にとっては親和性の高い制度となっています。
申請には事前相談が必須であり、締切も迫っているため、早めの準備が重要です。
研究開発に本気で取り組む横浜市内の企業は、ぜひこの機会を有効に活用してください。