【令和6年度補正】サステナブル倉庫モデル促進事業(一次公募)
補助金の概要
脱炭素社会の実現に向け、環境負荷を低減しつつ業務効率化を実現するサステナブルな物流倉庫モデルの構築を支援する補助金です。具体的には、CO₂排出量の大幅な削減に貢献する省人化設備や再生可能エネルギー設備の導入を促進します。
対象となる取り組み例:
- 庫内搬送の自動化: 無人搬送車(AGV/AMR)、デバンニングロボット、自動倉庫設備などを組み合わせ、荷役作業の省人化と効率化を図る。
- 再生可能エネルギーの導入: 太陽光発電設備を設置し、倉庫内で使用する電力の一部または全部を賄う。
- エネルギーマネジメントの最適化: 上記設備に加えて、エネルギー消費量を抑制する制御システムや高性能断熱材、高効率照明などを導入する。
- BCP対策と環境負荷低減の両立: 蓄電設備を導入し、災害時の電力供給を確保するとともに、再生可能エネルギーの有効活用を図る。
補助上限
- 最大1億円/年度(2カ年事業の場合、各年度上限1億円)
- CO₂削減コスト上限:80,000円/t-CO₂
- 投資額あたりのCO₂削減効果が高いほど有利になります。
補助率
- 対象経費の1/2以内
- 最終的な交付額は、申請されたCO₂削減効果に基づいて精査されます。
対象経費
- 省人化設備:
- 無人フォークリフト
- 自動搬送車(AGV、AMRなど)
- 自動倉庫設備(スタッカークレーン、垂直搬送機など)
- 仕分け・ピッキングロボット
- 再生可能エネルギー設備:
- 太陽光発電システム(屋根置き、地上設置など)
- 付帯設備:
- 高速シャッター(庫内温度の維持、空調効率向上)
- 高性能断熱材(壁、屋根、床など)
- 制御機能付きLED照明(人感センサー、調光機能など)
- 蓄電設備:
- 再エネ連携型定置蓄電池(太陽光発電の余剰電力を貯蔵)
- 関連費用:
- 設備導入工事費
- 設置費
- 性能試験費
- 専門家への業務委託費(計画策定、申請支援など)
- 事務費(申請書類作成費など、上限あり)
※対象外経費の例:
- 冷蔵・冷凍設備(別途の補助金制度がある場合があります)
- 一般的な空調設備(高効率なものは要相談)
- 中古品の購入費用
対象事業者
- サステナブルな倉庫運営を具体的に目指す事業者(業種は問いません)。
- 新品の設備導入を前提とし、事業を通じて明確なCO₂削減効果が見込める企業。
- 日本国内に事業所を有していること。
- 過去に補助金等の不正受給がないこと。
- 財務状況が健全であること。
申請期間
- ※一次公募の詳細な受付期間は、必ず事務局の公式発表をご確認ください。
- 例:〇年〇月〇日~〇年〇月〇日
必要書類
- 実施計画書:
- 現状の倉庫運営の課題と、導入する設備による改善策
- 導入設備の詳細な仕様、導入台数、配置図など
- 具体的なCO₂排出量削減効果の算出根拠と試算(設備ごとの削減量、全体での削減目標などを明記)
- 省人化、省エネ効果の詳細な説明と数値目標
- 事業の実施体制、スケジュール
- 費用対効果分析(投資回収年数など)
- 災害時の事業継続計画(BCP)における設備の役割
- 地域社会への貢献、環境配慮への取り組み
- 各種見積書・設備仕様書:
- 導入予定の設備に関する複数の業者からの見積書(相見積もり推奨)
- 設備のカタログ、機能、性能を示す仕様書
- 企業概要資料:
- 会社概要、事業内容、沿革
- 直近の決算書(複数期分)
- 組織体制図
- その他、必要に応じた証明資料:
- 事業所の登記簿謄本
- 納税証明書
- 環境に関する認証・資格の証明書(取得している場合)
申請手順
- 公募要領の熟読: 事務局のウェブサイト等で公開される最新の公募要領を必ず確認し、補助金の目的、対象要件、申請方法、スケジュールなどを詳細に理解してください。
- 実施計画書・経費見積の作成: 公募要領に基づき、具体的かつ実現可能性の高い実施計画書を作成します。設備の選定理由、導入効果、費用対効果などを明確に記述し、根拠となるデータを提示してください。複数の業者から見積もりを取得し、費用内訳を精査します。
- 必要書類の準備: 公募要領に記載された必要書類を漏れなく準備します。不備があると審査に影響が出る可能性があります。
- オンライン提出: 指定された申請システムを通じて、作成した実施計画書やその他必要書類を電子データで提出します。提出期限を厳守してください。
- 審査・採択: 提出された書類に基づき、事務局による審査が行われます。審査のポイントを十分に理解し、説得力のある申請書類を作成することが重要です。
- 補助金交付手続き: 採択された場合、事務局の指示に従い、補助金の交付手続きを行います。
審査のポイント
- CO₂排出削減効果の大きさ: 導入する設備による具体的なCO₂削減量とその根拠が明確に示されているか。削減目標の妥当性、実現可能性が評価されます。
- 費用対効果: 投資額に対して、どれだけのCO₂削減効果や省人化・省エネ効果が得られるか。経済的な効率性が重視されます。
- 省人化、省エネ効果の総合的な高さ: CO₂削減だけでなく、労働力不足の解消やエネルギーコストの削減にどれだけ貢献できるか。
- 設備導入の実現性と持続性: 計画された設備の導入スケジュール、設置場所の確保、運用体制の構築などが現実的であるか。導入後の効果持続性やメンテナンス体制も評価されます。
- 災害時の自立性や環境配慮の体制: 災害発生時における事業継続性(電源確保など)や、騒音・振動対策、廃棄物処理など、環境への配慮がなされているか。
アドバイス
この補助金は、単なる設備の置き換えではなく、CO₂排出量を削減しながら、物流業務の効率化や強靭化を実現する意欲的な事業を強力に後押しするものです。採択を目指すには、以下の点を意識した提案が重要となります。
- 複合的な設備導入による相乗効果: 単に省エネ設備を導入するだけでなく、自動搬送システムと太陽光発電、高性能断熱材と制御型LED照明など、複数の設備を組み合わせることで、より高いCO₂削減効果と効率化を実現する提案を具体的に設計しましょう。
- 具体的な数値目標と根拠: CO₂削減量、省人化率、エネルギーコスト削減額など、定量的な目標を設定し、その根拠となる詳細なデータ(設備の仕様、稼働時間、エネルギー消費量など)を明確に示してください。設備ごとの耐用年数や、削減効果の算出方法も具体的に記述することが重要です。
- 物流効率化とBCP対策の視点: 単なる省エネだけでなく、自動化によるリードタイム短縮、誤出荷削減、省人化による人件費削減といった物流効率化のメリットや、蓄電池導入による災害時の電源確保など、事業継続計画(BCP)の強化に繋がる要素も積極的に盛り込みましょう。
- 早期の専門家への相談: 計画策定の段階から、補助金申請の支援実績があるコンサルタントや、導入予定の設備に関する専門家(メーカー、システムインテグレーターなど)に相談し、実現可能性の高い計画を作成することをお勧めします。技術的なアドバイスや、申請書類の作成支援を受けることで、採択の可能性を高めることができます。